遺棄しないで!色々あります遺骨の処分方法
コインロッカーや網棚など、放置遺棄された遺骨は5年間で411件!
「遺骨の処分」というと聞こえが悪いですが、そのように検索する方が多いようでしたので、あえて処分と記述させていただきました。
本来遺骨は大切なものですが、お寺に預けていた遺骨を引取ることになった方や、遺品整理の際に遺骨が出てきたなど、様々な事情から遺骨の行く先で悩んでいらっしゃる方が多いのは事実です。
永代供養や散骨も処分方法の1つです。現在の日本では、正式な火葬を済ませた遺骨であれば、法律に抵触することなく処分することがきますので決して早まらず、その辺に捨てたりしないようにお願いいたします。逮捕されるのはあなたです。
【0円無料】火葬場で遺骨の受取を拒否する
【0円無料】自分で粉骨して、自分で散骨する
【1.2万円】粉骨だけ依頼して自分で散骨する
【1.65万円】散骨代行業者に委託する
【3.6万円】永代供養付きの樹木葬代行に委託
【4.3万円】都立・小平霊園の樹林墓地に応募
【10万円~30万円】乗船型の海洋散骨を利用
【15万~30万】お寺で永代供養する
------ 遺骨の処分方法まとめを読む
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。」
【0円】火葬の際に遺骨の引取を拒否する
火葬する前の段階であれば、関西や九州の一部の自治体では事前に誓約書を書くと遺骨の引取を拒否することができます。正式には拒否というよりは「自治体の回収を許可する」という書類になります。いわゆる0葬や、遺骨の焼き切りと呼ばれています。
ですが実施できるのはほんの一部の自治体だけですので、希望する方は事前に利用される火葬場にそういった手続きができるのかお電話等で事前確認された方が良いと思います。
【0円】自分で遺骨を粉砕して、自分で散骨する
火葬後に引き取った遺骨を捨てたり放置すると遺棄罪になりますが、祭祀承継者が弔いの感情を持って火葬された遺骨を粉骨してから散骨する分には違法ではなくなります(散骨に関する法律について)。粉骨後は許可を得た私有地や、海上などに散骨すれば完了です。
ただし自分で遺骨を粉骨するとなると道具の準備にお金がかかること、何よりも遺骨の粉骨は想像以上に大変です。関東で一般的な7寸壺に満杯の遺骨だと丸二日は要すると思います。一応手順を記載しておきます。
自分で粉骨する方法
骨壺の中身を取り出し、厚手のビニール袋に入れてタオルなどで巻いて、ハンマーなどを使って細かく砕きます。散骨する場合は一片を2mm以下にしなければなりませんので、最後はゴマすり器などを使って粉状にします。
骨壺はハンマー等で粉砕して燃えないゴミに出せます。骨箱と外装品は燃えるゴミに出すことが可能ですが、一部の自治体では骨壺と判明した時点で回収拒否されることもありますのでクリーンセンター等に直接持参して処分された方がより確実に処分できます。
→ 散骨できる場所、できない場所(外部)
【1.2万円】粉骨だけを専門業者に委託して、散骨は自分で行う
実際やってみると分かりますが、粉骨作業は精神的ダメージが大きく、ましてや身内の遺骨となるとなおさらです。使用する器具をその為に購入するにしてもお金がかかり過ぎます。ですので、粉骨は粉骨代行業者に委託した方が良いと思います。
骨壺の大きさで料金は異なりますが、平均的な7寸壺(関東や東北地方)であれば1.2万円で粉骨できます。関西や九州は5寸壺なので9千円です。骨箱や骨壺なども処分してくれますし、散骨しやすいように水溶性の紙袋に入れて返送してくれるので大変便利です。
16,500円で海洋散骨代行に委託する 
船が苦手、イザ撒こうとしたら人目が多くてできなかったなど、粉骨してもらっても自分で散骨できないという方は多いです。そんな方向けに、遺骨の粉骨、海洋散骨の実施、骨箱や骨壺の処分まで一括で行ってくれるのでとても便利なサービスがあります。
東京湾への海洋散骨が1.65万円、人気の沖縄でも3.5万円という安価。葬送教育を受けたスタッフが丁寧に実施しますので安心です。女性セブンやNHKクローズアップ現代+、テレビ朝日スーパーJチャンネルなどでも紹介され信用度抜群のサービスです。
【3.6万円】永代供養付き霊園散骨代行に委託する
日本国内では千葉県の市原緑の丘霊園だけですが霊園散骨というものがあります。自治体に認可を受けた霊園の中に散骨しますので100%合法です。
遺骨を骨や骨壺のまま埋蔵するのではなく、粉骨して樹木の下に埋蔵するので約1年ほどで土に還りますので遺骨の形は全く残りません。
こちらの霊園は曹洞宗のお寺が管理してますので1年に1回供養が行われます。
まだ千葉県だけなので主に郵送での受付となってますが、お近くの方はご自身で埋蔵することもできますので詳しくはリンク先をご確認ください。
全国各地のお寺で盛んに受け入れはじめたのが「送骨」という方法です。2万円前後でお経を読んで永代供養した後、合祀墓に収骨してくれるサービスなのですが、最近は檀家が激減した田舎のお寺や、宗教法人を買い取った悪徳業者等が、なりふり構わず「宗派問わず何でも受け入れ可能!」などと格安で遺骨を集めている可能性が高いので注意が必要です。事実、私が確認したものは地下に設けた薄暗い納骨堂に安置しておしまいといった、とても供養とは言いがたいものでしたのでお勧めはできません。
【4.3万円】東京都立霊園の樹林墓地を利用する
東京都では都立小平霊園と多磨霊園で樹林墓地という埋蔵方法を募集しています。遺骨のままだと13万円ですが、粉骨すると4.3万円まで安くなるので都民の方にはたいへん人気の樹木葬になります。毎年、年末に抽選が行われます。
注意点は、樹木葬の一種ですが墓塚に埋設された巨大な円筒形構造物の中に埋蔵しますので土に還るまでには何百年も要すると思われます。自然葬というよりは恒久的な永代供養墓と考えた方が良いかもしれません。
西武新宿線・小平駅から徒歩5分とアクセスも良く、お参りも楽ということで人気です。都民の方はこちらを利用されるのも一つの方法です。
【10万円~30万円】乗船型の海洋散骨を利用する
海上に大型ボートを出して遺族数名でセレモニーを行いながら散骨する散骨クルーズが可能になるのがこれくらいの料金です。散骨するポイントや使用する船の大きさ、サービス内容で料金は異なります。
散骨葬の中ではリッチな方法だと思います。チャーターの場合は要望も聞き入れてくれたりするので「あの橋の下」とか「お家が見えるあの海域で」など融通が利くことがあります。
【15万~30万】お寺で永代供養に出す
墓じまい後の遺骨の処分先として一般的なのが菩提寺への永代供養です。一般墓からお寺に併設された永代供養墓に移され恒久的に安置されます。宗派やお寺の方針によって異なりますが、10年、20年と続いた永代供養後は骨壺から出されてどこかに埋蔵されます。このあたりは業界でも謎だったのですが、霊園に40年勤めた方のお話では大きな穴を掘ってガラガラと土をかけながら埋葬するのだと聞きました。昔からそういうものだそうです。
遺骨の処分方法まとめ
現在、多くの方が遺骨の処分先として「永代供養」を利用されていますが、その理由は「手間がかかるから」や「お世話になったお寺にお礼を兼ねて」ということがアンケートや接客時のヒヤリングで判りました。
永代供養とは聞こえが良いですがその実態は上記の通りで、実はお寺自身も溜まり続ける遺骨の処分に困っている事実があります。遺骨は原型を残すと様々なところにしわ寄せが起こりますので、今後は「自然に還す処分方法」を選択した方が良いのではないかと考えます。
価格 (万円) |
粉骨 | 散骨 (埋蔵) |
永代供養 | |
---|---|---|---|---|
遺骨回収許可 | 0 | なし | なし | なし |
自力粉骨&散骨 | 0 | 自力 | 自力 | 自力 |
自力散骨 | 1.2 | 委託 | 自力 | 自力 |
海洋散骨代行 | 1.65 | 委託 | 委託 | なし |
霊園散骨 | 3.6 | 委託 | 委託 | あり |
樹林墓地 | 4.1 | ※1 | 委託 | あり |
寺・永代供養 | 15~ | なし | 委託 | あり |
※1 - 粉骨は自分で外注先を見つけて粉骨した遺骨を持参する。
遺骨を「粉状」にすることは損壊罪にあたるのか?
厳密に言うと処罰の対象になりますが、これらの法律は明らかな犯罪行為をおこなった者に対する処罰として定められたものであり、葬送時における粉骨(遺骨を粉状にすること)などはこれに該当しないものと思われます。
もしも「粉骨」が損壊罪に該当するとなると、火葬時に骨壺に入りきらない骨をバキバキと折って骨壺に入れてるのは損壊罪になりますし、東京都立小平霊園で実施されている樹林墓地は粉骨してから埋葬なので損壊罪の幇助罪になってしまいます。
また、関西や九州で常態化している、火葬場での余った遺骨の回収・廃棄業務も遺棄罪に該当してしまいます。これらのことから、祭祀承継者が弔いの感情をもって行う散骨または埋葬のために粉骨などは処罰の対象にならないと判断できます。