遺品整理で遺骨が出てきたらどうする?
遺品整理業者様より「遺骨の処分方法についてお伺いしたい」とのお電話をいただきました。「処分」というと聞こえは悪いですが、遺品整理を頼まれた方にとっては処分なのでしょう。
家財道具や電化製品などはリサイクルに出したり、廃棄処分することはできますが、遺骨や仏壇となるとさすがの遺品整理業者さんも扱いに困ってしまうそうです。
遺品は「相続権」と「祭祀承継権」の2つに分かれます。このうち遺骨やお墓、仏壇などは「祭祀承継権」に含まれ相続と別に扱われます。
1.祭祀承継者が誰なのかを明確する
まずはじめに、故人の祭祀承継者が誰なのか?ということを明確にする必要があります。祭祀承継者とは通常、故人の被相続人または親族の中から選ばれ、この方がお墓、仏壇、遺骨の取扱など全ての祭祀を取り締まる権限を持ちます。
民法では最初承継者の人数についての取り決めはなく相続者全員が平等に分ける必要もありません。よって管理のしやすさから一般的には代表者1名が権利を持つことが多いです。
遺骨やお墓、仏壇などは相続資産に含まれまませんので、相続権の中には含まれておりません。ですので、例え相続財産を放棄しても遺骨やお墓だけど祭祀財産として引き継ぐことは可能です。
祭祀承継者は故人の遺言で指定することもできますし、被相続人(この場合は全員)との合意により、第三者が承継することも可能です。遺品整理中に出てきた遺骨の処分は、この祭祀承継者の許可があれば可能と言うことになります。
アパートの大家さんは祭祀承継者になれるのか?
遺品整理を依頼される方が被相続人だけとは限りません。中には身寄りが無く、アパートの大家さんや不動産管理会社の方が遺品整理を依頼する方もいるでしょう。
大家さんが祭祀承継者になる可能性は低いですが可能です。家庭裁判所へ祭祀承継者指定申立をし、裁判を通じて承継者になれば、大家さんの名前で散骨など申し込みすることができるようになります。
ただし、承継者になると遺骨だけでは無く仏壇やお墓も引き継がなくてはならなくなりますので、遺骨だけの限定的な承継権にする事をおすすめします。
また、判決が出るまで早くとも1ヶ月程度は要しますので、その間遺骨を移動したり処分したりすることはできません。
2.まずは祭祀承継者に遺骨引取をお願いしてみましょう
最もスムースな手続きは正規の承継者ですので、まずは依頼主に「ご遺骨はこちらでは処分できません」と伝え、遺骨だけは引き取ってもらいましょう。
遺骨を渡されても困るよ・・・と言われたら
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正式な祭祀承継者からの申し込みであれば、お電話一本で送骨セットが届き、郵送で送って1ヶ月以内には散骨まで実施してくれますので安心です。
3.遺品整理業者の方が遺骨を処分するしかないときは
故人に身寄りがない、親族に遺骨の受け取りを拒否されたなど、どうしようもない場合は以下の手順で遺骨を処分することができます。
委任状を添えて業者代表の名前で申し込む
正式な祭祀承継者がいる場合は、祭祀承継者と遺品整理会社間で委任契約を結びます。
具体的には遺骨取扱についての委任状などの書面を作成し、委任状のコピーを添えて遺品整理業者名で散骨を申し込みます。この場合の最終責任者は遺品整理業の代表責任者になります。書式は決まってませんので、各業者が独自で作成・締結してください。
遺骨が誰のものか判らないときは?
通常は骨壺の側面やフタの裏に故人の名前が書いてありますが、稀に無記名の場合があります。この場合は第三者の遺骨の可能性がありますので、誰の遺骨かどうかを明確にする必要があります。
遺骨は火葬した際に必ず「火葬(埋葬)証明書」というものを発行し、執行者に渡されますのでその書面を探しましょう。これが故人の証明になります。骨壺が入ってる木箱の隙間に挟まってるケースが多いです。
それでも誰の遺骨かどうか判別ができない場合は、事件性を考慮して警察に通報し、事件性の有無を確認してから触れたり移動したりしましょう。
警察は確認作業はしてくれますが、家の中で見つかった遺骨に関しては回収はしてくれません。「事件性が無し」と判断された場合は、遺族や不動産管理者などが祭祀承継権をもって適切に処分するよう促されます。
その後、家庭裁判所に「祭祀承継権の指定の申し立て」を提出して判決を待ちます。裁判所は諸事情を汲んで最適な祭祀承継者を決定してくれます。祭祀承継者となることができれば散骨の申し込みなどが正式にできるようになります。

