このページに辿り着いた方は、大切に手元供養していた骨壺や骨箱にカビが生えてしまった!と焦ってる方も多いと思いますので、1万件以上の遺骨を粉骨してきた専門家の私が、その原因や対処方法などを伝授したいと思います。
骨壺に生えるカビの種類と原因
カビの種類
骨壺に生えるカビは黒カビか青カビのどちらかです。赤カビは見た事がありません。ペットの遺骨にモサモサとした白カビが生えていたのを見た事はありますが、あれはどうやら青カビの初期段階のようです。
原因
カビは水分、栄養、温度の3つの要素が揃わないと発生しません(というか発育できません)。つまりカビが生えてしまったということはこの3つの要素が揃ってしまったのです。
水分は湿度60%以上、温度は15℃以上で生え始め、湿度80%以上、気温20℃を超えると爆発的に繁殖します。
エアコンの効いていない部屋は人体の湿気やお風呂の湿気などを含んであっという間に湿度60%を超えてしまいます。特に梅雨時やお風呂場に近い場所はドアを開けただけで高湿度になります。
栄養源は何か?
陶器の骨壺に栄養はありませんが、堆積したホコリには有機物が大量に含まれています。
また、お供え物にたかってきた小さな虫などの死骸はカビが好む有機物ですし、生け花には有機物と水分の両方が備わっています。骨壺を手指で触れればその皮脂もまた栄養源になります。
前述したペットの遺骨に生えていたカビの原因は、時々骨壺を開けて頭頂骨を撫でていた飼い主の皮脂が原因で生えたものと思われます。
貼り箱や風呂敷はカビが生えやすい
骨壺は通常「骨箱」という木箱に収められていると思います。素材は桐で、通常は布などの飾りはありませんが、より豪華に見せる為に布などで飾られた貼り箱タイプの骨箱もあります。
貼り箱は凹凸が多くほこりが溜まりやすいため、カビが生えた多くの骨箱はこの貼り箱タイプです。
また、骨箱や骨壺を包んでいる風呂敷にもホコリが堆積しますのでこまめな掃除や交換をしないとあっという間にカビが生えてくる原因となります。

カビが生えてしまった時の応急処置
まず、カビの胞子を吸い込まないようにマスクをしてから作業をしましょう。
カビが飛ばないようにビニール袋等で骨壺全体を覆って口を縛り、移動するときは胞子が飛ばないようにそっと移動します。食事をするようなテーブルなどには置かず、風通しの良い外などで作業をした方が良いと思います。
カビは市販で買える除菌用アルコールである程度死滅しますが、深く入り込んだ根っこまではやっつけられませんので骨箱や風呂敷などは新品に交換してしまった方が安心です。
骨壺は陶器製なので表面に生えたカビはアルコールティッシュ等で拭き取り、乾いた布で湿気を拭き取ればキレイになります。
骨壺の中の遺骨は無事だろうか?
遺骨には栄養素がほとんどありませんので湿気と温度が揃っていてもめったなことではカビは生えません。骨箱の中が真っ青になり、骨壺の表面にもビッシリ青カビが生えていた過去例においても、蓋を開けたら中の遺骨はキレイなままでした。
お寺の納骨堂(外部空調無し)に預けてわずか半年でこの状態↓

遺骨に付着した青や赤の点の正体

一見、カビのように見える遺骨に付着した青色や赤色の着色は金属が燃焼する際に発生する炎色反応によるものと考えられています。例えば青なら銅(棺の装飾品等)、ピンクならカリウム(血液)といった具合です。

よく火葬場の職員さんが「お花の色がついちゃったのかな」とか言われますが、さすがに血液が燃えてピンクになったとは言えないので職員さんなりの気遣いなのだと思います。
その他に考えられる要因としては、長い年月を経て骨に蓄積した薬剤による変色や、火葬時に溶けた周囲の酸化物などの可能性もあります。
安心して手元供養するベストな方法
ということで骨壺にカビが生えてしまう主な原因は「ホコリ」であるということが判明しました。
骨壺は箱から出してホコリが付かない場所に収納しておくのが良いと言うことになりますが、一般的な7寸壺にもなると高さは25cm以上、直径21cm程度もあり、それを収納できるスペースを見つける方が大変です。ましてや中身は大切な遺骨ですから物置や薄暗い場所に置いておくわけにもいきませんし、骨壺が丸々収まる仏壇は田舎で無い限りめったにありません。
「粉骨+真空パック」で長期保管
そこで弊社が考案したのが「粉骨+真空パック」で保管する方法です。
遺骨を粉骨して真空パックにすることで、空気や湿気を遮断することができ、大きさは従来の骨壺の1/3以下まで小さくなりますのでサイドボード等にも収納できるようになり、カビの栄養源であるホコリの堆積を防ぐことができます。
遺骨の原型は無くなってしまいますが、粉骨の際には骨壺内部にあった釘やネジ等の異物も除去できますし、UV滅菌処理も施しますので長期保管の安心度が格段に上がります。
ちなみにこの方法は、お寺や納骨堂などでも採用されております。

命日やお彼岸には取り出してこんな感じで供養しましょう。

ということで「骨壺にカビが生えてしまったらどうする?」について専門家の意見を記述させていただきました。大切な遺骨を自宅で保管中にカビが生えてしまったらさすがに焦りますよね。そうならないためにも日頃からのケアが大事です。「納骨堂に預けておけば安心」かと思ったら、過去最大にカビだらけになっていたのが納骨堂ですから、何と見解して良いのか解りません。
とにかく遺骨は粉骨して真空パックしておけば空気を遮断できますので本当に安心だと思います。親しかった人ほど亡くなってすぐに納骨したり散骨したりするのは無理でしょうから、せめてこうして手元供養をしてあげて、気持ちの整理がついたら次のステップに進めば良いと思います。

