ここ数年あちこちのお寺や霊園でたくさんの墓じまいを見てきました。
お店のスタンス上「無宗教」ということにはなってますが、訪れるお寺の宗派などは予め学んで粗相の無いように心がけてはおります。服装なども白黒でまとめたシンプルな服装で、供養の際は隅っこで大人しくしております。
そんな感じでいくつもの墓じまいを見てきたわけで、墓じまいに適した季節と適していない季節があるなと感じたのでご参考までに記しておきたいと思います。
春の墓じまい
3月「若い親族が集まりにくい」
この時期の学生さん達は受験やら進学で超多忙。会社員も異動や新入社員を迎える準備、年度末の予算消化などに追われる企業も多いので親戚の集まりは1年で最も悪くなります。3月も後半になると日差しも温かいので閉眼供養中に凍える心配も無くなってきます。北部の方は、まだお墓に雪が残ってると足下が泥だらけになったり、カロート内が泥だらけだったりするので注意が必要な季節です。
4月「桜が咲いて風情あり」★
4月前半は行事も多いので親族の集まりは期待できませんが、中旬頃~GW前にかけてはイベントが少なく親族も集まりやすいようです。霊園の周りでヒバリが鳴いていたり、青い新芽が出始めていたり、何よりも桜が咲いてる中での法要はなかなか風情があります。安いのは4月中旬の平日。高いけど人気なのはGW前半ですので、この時期に考えている方は早めに予約をされた方が良いと思います。
5月「高齢者にお勧め時期」★★
GW中に親族が集まるタイミングで墓じまいされる方も多いですが、この時期は平均気温も20℃前後で過ごしやすく、晴天率が高いのでご高齢の方達が平日に多く墓じまいをされている印象があります。カロートの中の遺骨も乾燥しており状態もとても良いです。GWから梅雨が始まる5月中旬の平日などは安いしホントに墓じまいに適した時期だと思います。
夏の墓じまい
6月「雨の程度にもよりますが」×
南日本は5月後半から、関東は6月、東北は7月上旬頃まで梅雨です。雨の程度にもよりますが、墓じまいは雨が降るときついものがあります。最もきつかったのは、墓じまい当日もの凄い土砂降りで、お寺さんはお墓の前に大きなテントを建てて閉眼供養してくれましたが、滝のような雨が参列者に降りかかって全員喪服はずぶ濡れ状態でした。お墓の下は雨で満水、水没している遺骨を何とか取り出してる様子を見ていた遺族が泣き始めてしまってもう、それはそれは大変でした。親族が遠方から来ているので延期することもできなかったらしいですが、土砂降りの中で墓じまいはするものではないです。あ、私は予測していたので雨合羽に長靴フル装備でした。
7月「高温多湿に要注意」△
ここ1~2年は雨の勢いが凄まじいので梅雨の名残雨に要注意なことと、気温が一気に上がるので高温多湿状態になりやすいので墓前の閉眼供養などは本気で注意が必要です。住職さんも正直「きつい」そうですので「閉眼供養は先に済ませておきました」というパターンもあるとは思います。この時期、お墓の下を開けるとモワ~ンとした土の臭いがします。遺骨もほぼ湿っており、良からぬバクテリアが繁殖してる可能性が高いので骨壺を開ける際などは注意が必要です。曇りの平日がオススメです。
8月「墓じまいオススメしません」×
毎年この時期の墓じまいは命がけです。強烈な炎天下で墓石が熱くなっており、うっかり肌が触れようものならやけどをしてしまうレベルです。歩いてるだけで滝のように汗が流れてきますので、遺骨を取り出す石材店さんはもの凄く大変です。決して言葉には出しませんが、住職さんも「夏はやめて・・・」と心の中で思っているかもしれません。できれば墓じまいは避けた方が良いと思います。
秋の墓じまい
9月「残暑厳しいので要注意」△
9月と言うとなんとなく秋みたいなイメージがありますが、前半は8月と同じですから高温過ぎて墓じまいには適してません。台風に注意しながら夕暮れ時にヒグラシが鳴き始める頃まで待った方が良いでしょう。なお、9月にはお彼岸があり、そのタイミングで墓じまいされる方も多いです。お彼岸は秋分の日を真ん中に前後3日、計7日がお彼岸期間となります。ちなみに2024年の秋分の日は9/22ですから今年は9/19~9/25までが秋のお彼岸期間となります。人気のシーズンなので8月前半から予約しておいた方が良いと思います。
10月「墓じまいに最適♪」★★★
台風の到来も減り、気温も下がりはじめ、行事も少なく親族も集まり易く、住職さんも気持ちが楽で墓じまいには最も最適な月だと思います。遺骨の状態も乾燥している事が多く、閉眼供養中に蚊に刺される心配も減ります。もう何も言うことはありません。人気時期なので料金は高めですが体は楽ですので、高齢者の方にはオススメです。
11月「前半は最適、後半は注意」★★
東北地方の方は墓じまい最後のチャンスです。墓下の土が凍り始めたら墓じまいはできません。11月も後半になり気温が一桁になってくると閉眼供養で参列しているのも辛くなります。墓地ではすぐにトイレには行けないのです。関東以南の方は11月後半くらいまでは快適な状態で墓じまいできると思います。住職も参列者も高齢者が多いと言うことを念頭に。
冬の墓じまい
12月「10日までがリミット」
年末のお寺は忙しく、石材店なども早々と仕事納めしますので、12月の墓じまいは10日頃までがリミットだと思います。この頃から寒さが厳しくなり、暗くなるのも早いので墓じまいするなら午前中がお勧めです。1月に墓じまいを検討してる方は12月中に見積と予約を済ませておくと良いと思います。
1月「料金が最も安い時期」★★
お正月から成人式が終わるまでは全国的にお祝いムード一色。石材店やお寺はとても暇な時期になりますので、この時期に法要を依頼すると有り難く迎えられます。値段交渉にも応じてくれるので最も安価で墓じまいできると思います。ただ、スタッフを休ませている時期でもあるので、突然言っても準備ができません。12月の頃から予約しておいた方が良いと思います。氷点下が続いた日は骨壺の中が凍ってる可能性もありますのでそれは覚悟しておいてください。
2月「学生は集まりにくいけど」
墓地や霊園の霜が立たなくなると墓じまいが増え始めます。2月は受験シーズンですので若い世代は集まりにくいですが、大人ばかりでやるなら問題なしです。2月も後半ともなれば温かくなるので閉眼供養も楽です。石材店もそれほど忙しくはない時期なので多少の値引き交渉には応じてくれると思います。
墓じまいに最適なシーズンとは?まとめ
ということで何の計測値もありませんが、過去の経験と勘で墓じまいに最適なシーズンを選んでみました。5~6年前は夏でもそれほど暑いとは感じなかったのですが、去年(2023年)の夏は暑い!というか」「危ない!」と感じましたね。炎天下過ぎて40年ぶりに陽炎みました。うっかり触れてしまった墓石で火傷も負いました。夏のお墓は本気で危ないです。
ちなみに夏のお参りで倒れる方も結構多いみたいなので気をつけてくださいね。決してお墓参りは一人で行かないように。万が一倒れたときに助けを呼べなくなりますから。