遺骨ダイヤモンドは怪しいのか?

ダイヤモンド 遺骨
ダイヤモンド例

これもよくお客様からお問合せいただく内容です。

弊社なりの結論から先に申し上げますと「遺骨から人工ダイヤモンドは炭素があれば作れるので怪しくはないが、故人の遺骨から作られた物なのかDNA照合できないので粉骨で持っていた方が安心である」です。

遺骨からダイヤモンドを生成する技術は特許技術のようですが、日本国内で公開されている特許情報プラットフォーム上では見つけることはできませんでした。おそらく海外の特許なのでしょう。

以前、遺骨をダイヤモンドにされたお客様からは「遺骨に含まれた炭を原料としてダイヤモンドを生成する」と聞きました。確かに人工ダイヤモンドは炭素を1000℃以上で5万気圧以上の圧力をかけて作りますので、技術的には可能です。

現代の遺骨には「炭素」が少ない

遺骨を取り扱うプロとして少々疑問に感じたのは、遺骨ダイヤモンドは炭素から作られているのでが残っていないと作れないと思うのですが、最近の火葬場は燃焼温度が高く黒く炭化している部分がほとんどありません。ほとんど真っ白な焼骨ですからここから炭素を抽出するのは至難の業のはずです。

ダイヤモンドの生成は5万気圧以上で圧縮するわけですから、直径5mmレベルのダイヤモンドを作ろうと思ったら相当な量の炭素が必要だと思うのですが、最近の骨壺にはこれほどの炭はまず残ってません。

遺骨ダイヤモンド業者のHPを拝見すると、ダイヤモンド生成に必要な遺骨量は400gとありますが、これが「400gの炭」なら理解できるのですが、「400gの遺骨」とあります。真っ白な遺骨の主な成分はリン酸カルシウムで炭はほとんど含まれていないと思うのですが・・・?

業者の中にはわずか数gの遺骨で良いというところもあります。これはどういうことでしょう?こんなわずかなリン酸カルシウムからダイヤを作れる技術があるのでしょうか?・・・ここが謎すぎて理解できません。

古い骨壺にはたくさん炭が入ってるけど

墓じまい等で上がってきた遺骨は、骨の髄部分が黒く残っている焼骨が多く見られます。これは明らかに火力不足によるものです。戦時中の遺骨などは特に黒い部分が多く見られるのは、止むなくトタンの上などで火葬した為だと和尚さんなどから聞きました。

確かに古い遺骨なら炭素を含んだ400gの遺骨はなんとか抽出できる可能性があります

注意すべきは、昔の骨壺は乾燥予防としてよく炭が入っています。これを遺骨の炭と勘違いしてダイヤモンドにしてしまうということは避けたいものです。元はただの木材ですから。

焼骨からはDNAを抽出できない

粉骨業者として1つ警告しておきたいのは、炭素から人工ダイヤモンドは作れるのかもしれないけど、遺骨から生成したと言われているダイヤモンドが間違いなく故人の遺骨から作られたかどうかを立証する方法はないということです。何せ遺骨は1000℃近い高温で燃焼してますからDNAは破壊されて照合するものはありません。

遺骨を預かって安価で仕入れた人工ダイヤモンドを「はい、これがあなたの最愛の方です」と渡していた実例がありましたので100%安心ではありません。工業用の人工ダイヤモンドは簡単に手に入ります。

週刊SPA!に書かれていたペットの遺骨をダイヤモンド化する詐欺の話

こんな事を書くと業者さんに怒られてしまうかもしれませんが、本当に立証する方法がないのです。ですので遺骨をダイヤモンドにするのであれば、業者選びは慎重に行う必要があり、またその結果は100%依頼者の自己責任ということになります。

粉骨のままが安心です

ということで弊社的には遺骨をダイヤモンドにする事を否定するつもりはありませんが、お勧めもしてません。DNA照合できないのは粉骨も同じですが、目の前で粉骨して持ち帰れば少なくとも余計な不安を抱える心配はなくなります。そのために弊社は立会粉骨をオススメしています。

最愛の人を宝石に変えて肌身離さず持っているなんてロマンティックですけど、それが工業用の人工ダイヤモンドだと知ったらショック過ぎて寝込んでしまいますし、それよりも生成の為に渡した遺骨はどこへ捨てたのだ?と言うことの方が気になって後悔してしまいそうで私はやりません。粉骨で持っていた方が100%安心ですからね。

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