遺骨ペンダントについて

遺骨ペンダント 供養

遺骨を粉骨する際に、少しだけ取り分けてペンダント等に入れて持ち帰る方が結構な割合でいらっしゃいますのでそのお話を8年間の経験と実例からお話させていたこうと思います。

私が粉骨を始めた2016年頃には既に遺骨ペンダントの存在はありました。ですが商品としてはほんのわずかで、今のようにこんなに多くの種類はありませんでしたし、とても高価でした。

当時から「なぜペンダントなのだろう」と疑問に感じておりましたが、どうやら「ロケット」というパカッと開いて中に写真を入れられるペンダントからの流れのようです。

当時あったのはそんなロケットペンダントっぽいタイプの物でした。今のように大量に遺灰が入るタイプが出てきたのはその数年後だったと思います。

ロケットペンダント

遺骨ペンダントに分骨証明書は必要か?

火葬した遺骨には必ず1枚「埋葬許可書」という書類が発行されます。

地域によっては「火葬(埋葬)許可書」と書かれている場合もあります。この書類があると墓地に埋葬又は埋蔵することができ、墓地管理者はこの書類を保管しておく義務があります。

分骨証明書とは、本来1つにまとまっているはずの遺骨を何らかの事情で分離させる際に発行される書類で、埋葬許可書と同じような効力を持っており、分骨証明書があると墓地などに埋葬または埋蔵することができます。

つまり、自宅で保管している遺骨や粉骨、海洋散骨する粉骨などには特に分骨証明書は必要ないと言うことになります。ただし、後々その遺灰を墓地や納骨堂に納骨するのであれば分骨証明証は必要です。

ピルケースが進化してできた遺骨ペンダント

そんな流れの中でどこからともなく現れたのが「ピルケース」でした。ピルケースとは登山の際などに錠剤を入れておくステンレスやアルミ製の小さなボトルで、飲み忘れ防止の為に首から下げていたようです。

ピルケースは防湿の為にネジ式ですから、水に濡れると困る遺灰を入れておくには丁度良かったのでしょう。これを改善してペット用として登場したのが始まりだったような気がします。

この遺灰ペンダントは安価でとても良かったのですがアルミ製が多く衝撃に弱いこと、ペット用だったことなどから弊社では使用を避けていましたが、あまりにも持参する方が多かったのでステンレス製で丈夫な遺骨ペンダントを特注で作りました。

ちなみにこの遺骨ペンダントは弊社で粉骨をされた方のみに販売している物なので個別販売はしておりません。

遺骨ペンダント

ペンダントでなくてもいいような気がする理由

ところで素朴な疑問なのですが、遺骨を入れるのはなぜペンダントなのでしょうね?

肌身離さず持っていたい!という方もいらっしゃると思いますが、現実問題、万が一無くしてしまったら大変だ!ということで身につけてる人はほとんどいないと思います。

遺骨ペンダントはネジ式ですので一応防水ですからシャワーやお風呂に付けて入っても大丈夫ですけど、さすがに遺骨を身につけてお風呂に入る方はいないでしょう。

そう考えると「ペンダント」である必要はないのかもな・・・と思ってます。が、流れ的にペンダントが主流になっているのでおそらくこのまま続くのでしょうか?

とは言え、遺灰にセラミック混ぜて固めたり、レジンで閉じ込めたりいろんな加工してる業者さんがいますけどあれは本当にお勧めできません。最期の処分が本気で大変です。

高価な遺骨ペンダントほど遺骨は入らない

ここ最近、急激に遺骨ペンダントの種類が増加し、来店されるお客様が様々な遺骨ペンダントを持参されます。

安価な物から高価なものまで様々ありますが、持参される遺骨ペンダントの中央値は7000円前後のような気がします。弊社は3800円ですから安いですね。

粉骨した遺灰を封入していて感じるのは、高価なペンダントほど遺灰量は入らない。ということです。2万も3万もするペンダントなのに、ネジをはずして1gも入らないような物がたくさんあります。

おそらく遺骨ペンダントとして作ったのではなく、元々あったペンダントに加工して遺骨ペンダントですよ~みたいな感じで販売しているのでしょう。中には遺灰を入れるとネジが最後まで閉まらない物などもあって、正直「こんなのに数万も支払うのは可哀想だな」と思うときがあります。

仏壇屋さん等は本当に売れなくて死活問題らしく、慌ててこういった商品を販売して何とかやりくりしてるらしいのでこういった顧客目線抜きの商品などが生まれてくるのでしょう。

見た目優先か、量を優先か?

遺骨ペンダントを選ぶ際に一つの基準になるのは「見た目」を選ぶのか?それとも中に入る「遺骨の量」を選ぶのか?の二択です。

見た目を選ぶ場合は普通のネックレス感覚ですが、遺骨量を選んだ場合はペンダントトップはボトル形状になるでしょう。

あとボトル形状でも2cm程度の物から5cmあるもの、細い物から太い物までたくさんあります。太い物は粉骨してない遺骨を入れておくものだと思われますが、遺骨はもろいので歩いてるうちに粉々になってしまうでしょう。

これは遺族の方の主観なので何とも言えませんが、過去の実例からしてそんなに大量にペンダントに入れる方はいらっしゃいません。多くても5g以内がほとんどです。

人気の遺骨ペンダントはティアドロップ型

これは統計とった訳ではありませんのであくまでも感覚値ですが、遺骨ペンダントで持参してくる事が最も多いのはティアドロップ型だと思います。しずくのような形状のものです。

最近は星形やハート型の遺骨ペンダントを持参する方が増えてきましたけど、そもそも遺骨ペンダントの供給種類が少ないので、新しいデザインが販売されると「それが主流」になる傾向があるのだと思います。

今まで様々な遺骨ペンダントを拝見しましたが、個人的にはハート型の遺骨ペンダントは可愛いと思いました。

ペットの遺骨ペンダントで多い要望

ペットの遺骨をペンダントに入れる際にとても多い要望が、喉仏や爪、犬歯など特定の部位を選んで入れたいということです。人間は喉仏だけなのにペットだとなぜ・・・?

ちなみに爪はエナメル質なので火葬したら残ってません。

それから犬や猫の喉仏を探すのは至難の業です。なぜなら人間のように第2頸椎だけが仏様のような格好をしているわけではなく、犬や猫はほとんどの頸椎が同じ形状をしているからです。

犬歯は高い確率で残ってます。歯の表面もエナメル質なので基本的には炭化してますが、犬歯は丈夫らしく残っていることが多いです。

遺骨ペンダントは良くないことなのか?

遺骨は物質としてはリン酸カルシウムですから持っていても無害ですし、そばに居た存在を亡くしたという想いはそう簡単に癒えるものではありません。

そうすることで気持ちが落ち着くのであれば全ての遺骨を納骨したり散骨しないで少し手元に残しておくのはありかな?とは思います。

それがペンダントの形をしていたというだけですので、遺骨ペンダントは良くない!と言うことは無いと思います。

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