10年間で約1万件の粉骨、6000件の散骨代行のお手伝いをさせていただきました。接客中や散骨後のお手紙などでお客様から様々な経験談や感想を頂戴します。
今回はその中から「海洋散骨をして後悔したこと」をピックアップして皆様に紹介・情報共有させていただきたいと思いますのでご参考ください。
解りやすいように、後悔した理由が多かった順にランキング形式にさせていただきました。
1位:親族や兄弟姉妹に怒られた

海洋散骨をして後悔した事の中で最も多かった意見は「兄弟姉妹と揉めてしまった」とか「伯母や叔父に叱られてしまった」という意見でした。
散骨する前に揉めるパターン、事後に揉めるパターンと2種類ありますが、何も知らせず散骨したあとで報告して怒られたというパターンがとても多かったです。「事後報告」で揉めてしまうと関係修復に時間がかかって後悔してしまいます。
親族に怒られる理由としては以下のようなものがあります。
なぜお墓に入れないんだ!と言われた
昭和初期世代は既に「お墓を保有している」方が多いので、親族の中には「遺骨はお墓に入れないとダメ」と頑なに言う方もいらっしゃいます。自分達は「散骨でいいよ」と思ってていても、その方にとって「納骨」はとても重要な行事なのです。
ちなみに遺骨の扱いに対する権限はあくまでも祭祀承継者にあります。あなたが「絶対に散骨する!」と言えば一存で決定しても罪には問われませんが、親族間の遺恨を生んで後悔することになりかねませんので、代表として可能な限り親族の気持ちも汲む必要があります。
なぜ全部撒いてしまったんだ!と言われた
実は筆者の私も父親の遺骨を散骨した際、伯母に「なぜ全部撒いてしまったんだ!」と怒られました。散骨自体には賛成していましたが、形見として少しぐらいは残しておいてくれよ・・・ということが言いたかったようです。伯母の心境を考えたら「それもそうだったな」と少し後悔しました。
どうして事前に伝えてくれなかったんだ
散骨に対して一定の理解はしているものの、何の相談もなく実施してしまった事に対して兄弟や親戚に怒られてしまったという方も稀にいます。散骨は法律上、祭祀承継者の一存で自由に実施できるとは言え、両親の遺骨は兄弟姉妹にとっても大事なものです。長男長女や一人っ子の独走に多く、相続ついでにパパっとやってしまって後から揉めるというケースでした。
2位:親族と会う機会が減った

海洋散骨をするとお坊さんを呼んだりお経をあげたりする法要が無くなります。
以前はお盆やお彼岸などに、こうした法事が良い機会になって、普段集まらない親族が集まれていた方々も多く、そうした集まりが無くなってしまい、急に寂しくなって後悔したというお話もちらほら耳にします。
昭和世代の筆者も、こうした法事を結構楽しみにしておりましたので最近は従姉妹達などにも会えずとても寂しいです。
ちなみに弊社の散骨代行サービスを利用されて東京湾北部で海洋散骨された方々は、湾岸エリアのホテル等の高層階にあるレストランで会食したりしているようです。
お車がある方はアクアラインの「海ほたるPA」内にあるレストランや回転寿司店での会食を楽しみにされています。展望デッキで故人に挨拶した後、美味しい海鮮丼や洋食を楽しんでいるそうです。
海ほたるPAは晴れると飛行機も飛び交ってお孫さん達にとっても楽しいドライブです。最高の会食になると思いますので是非行ってみてください。
3位:船酔いして散骨どころではなかった

散骨する時は停船しなければならないのですが、船と言うのは停まっている時が最も揺れます。そのため普段船に乗り慣れていない参加者の多くが船酔いしてしまい、気分が悪いまま散骨が終わってしまう方も少なくありません。中には、皆が酔ってしまいトイレが一杯で、やむなく故人を散骨した海に吐いてしまいとても後悔したという方もいらっしゃいました。そんな事もあり「二度は乗らない」と心に決めたお客様は散骨代行を利用されます。
また、映画やドラマの影響なのか、袋から取り出した遺灰をサラサラ~と海上に捲き「さようなら~」と散骨するイメージをお持ちの方が多いのですが、現実の海は常に風が吹いているので、袋から取り出して撒こうとしたら遺灰が舞い上がってしまってしまい、参列者に降りかかってしまった。というお話も時々あります。本来、遺灰は水溶性の紙袋に入れたまま投函するのがマナーなのですが、散骨をセレモニーとして提供している業者は、あえて紙袋を破いて撒いてもらう演出をするところもあります。
こういうお話は乗船散骨をメイン事業としている散骨業者は書きません。でも実際はそんな感じの事も多いので知っておいてください。
天気が悪い中で散骨してしまい後悔した
遺族としては、お天気の良い日に穏やかな海で散骨を・・・と思っていると思いますが、散骨業者は少々の風や高波、雨の日でも容赦なく出港します。なぜなら晴れて穏やかな日というのは1ヶ月に1~2日ありませんし、次々に出港してゆかないと予約が一杯でこなせなくなるからです。
旅客船業界では、船長などの判断で欠航した場合はキャンセル料がかかりませんが、お客様からの申し出で中止した場合はキャンセル料が発生するケースが多いです。天気が悪くても「海はこれくらい普通ですよ~」と言われ、納得しないまま小雨が降る中散骨して後悔したと言われていたお客様がいらっしゃいました。
素人にはどの程度でキャンセルしたら良いのか判断できませんよね。泣き寝入りのような状況にならないように、天候の悪い日にお客様側から延期や中止の申し出をしても、キャンセル料金のかからない散骨業者を選びましょう。
4位:手を合わせて拝む場所がない

これもよく聞く後悔ですが、散骨した後でふと寂しくなった時に、どこに手を合わせて拝んだら良いのか判らない、と言われます。散骨する前はそんな事思わなかったのに、お彼岸や命日を迎えたらなんとなく手を合わせたくなって・・・という方もいらっしゃいました。
お墓や納骨堂に預けていた方などにとっては「儀式」としての気持ちが多いのだと思います。拝む事について場所はそれほど重要ではないと考えますので、故人の写真に手を合わせてみたり、海の方に向かって手を合わせてみたりしたら同じなのでないでしょうか?
まとめ – 後悔しそうなら散骨はしないこと
「散骨したら後悔しそう」と少しでも思った方は、まだ気持ちの整理ができていないのではないかな?と思いますので、その時点で散骨はしない方が良いと思います。心が「納得」していない状態での散骨はお勧めしません。
例えばこんな実話がありました。
お父様は既に亡くなっており、お母様が亡くなって祭祀承継者となった長女が海洋散骨をしようと弟たちに相談したところ、次男が「散骨したら成仏できない」と頑なに拒絶したそうです。
宗教に興味が無い次男が突然そんな事を言い出すなんて何かおかしいと思った長男がじっくり話を聞いたところ、両親の介護を姉兄に任せきりで何もしていなかった自分に罪悪感が生まれてしまったようなのです。そこで長男は次男の罪悪感を払拭するために両親の遺骨を次男に預け、3年間大事に保管してくれと託したそうです。
その後、約束通り3年間毎日手を合わせて供養したことで次男も気持ちの整理がついたようで、散骨することに同意してくれたそうです。
それで良いと思います。散骨とは単なる行為や過程でしかありませんので、あくまでも優先すべきは生きてる方の心情だと思います。後悔するならしないで時間の経過に身を委ねた方が良いと思います。
ということで「散骨したら後悔する?」というテーマであれこれ書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?皆様の参考になれば幸いです。これからも粉骨や散骨をテーマに様々な記事を書かせていただきたいと思います。


