墓じまいの費用、相場はいくら?
弊社は粉骨専門店ですが、業務上お客様からの問い合わせで墓じまいの費用について聞かれることが多いので、統計をとるために出張引取サービスなどで墓じまいに立ち会う機会があると、さりげなく石材店に「全部でいくらくらいですか?」と料金を聞いておくようにしています。
過去3年間で話を聞けたのは2~30件。そのヒヤリング結果から結論を先に申し上げますと、お墓の中に1~2件の遺骨があった場合、墓じまいの相場は80万円前後ではないかな?という結論に達しています。
墓じまいの総額は、お墓の大きさや遺骨の量地域差がありますので一概には言えませんが、目安を知らない事には動けないと思います。もの凄くザックリで恐縮ですが、小さなお墓から大きなお墓まで総合して平均値を出すとおそらく100万円~120万円前後、中央値で見ると80万円前後だと思います。かなり真剣に吟味しましたので現実的な数字だと思います。
平均的な内訳は、遺骨は2~3件、墓石の解体・撤去に40万円+閉眼供養に10万円+永代供養に30万円=80万円

【基本】墓じまいの総額は「3つの費用」の合算である
「墓じまい」の総額がピンキリな理由は、費用が大きく「墓石撤去」「お布施・供養」「新しい納骨先」の3つに分かれており、それぞれがまた選択によって価格差が大きいためだと思います。
では、その3つの費用について詳しく解説してゆきましょう。
①お墓の解体・撤去にかかる費用の内訳と相場
石材を撤去・解体・更地にするための費用です。
これらの支払先は石材店であり、墓じまい総額の約40%を占めています。撤去や解体費用は墓石の種類や大きさ、立地など諸条件によって大きく左右します。
多くの石材店では一般人にも解りやすい基準を設けるために「㎡単価〇〇万円」といった価格表示をしています。これに付属作業の追加費用が加算され総額となります。
条件別の費用目安
- 標準的なケース: 10万円〜15万円 / ㎡
- 重機が搬入可能で、平坦な場所にある一般的なお墓の場合。
- 割安なケース(一括・格安業者): 6.5万円〜8万円 / ㎡
- 取扱数が多い墓じまい専門の石材店や、整備された霊園で搬出作業が楽な場合。
- 都心部や難所のケース: 15万円〜30万円 / ㎡
- 東京都内などの狭小地、重機が入れないため手作業が必要な場所、または急斜面にあるお墓などの場合。下町の古いお寺や傾斜地にあるお墓など。
注意すべき「追加費用」
1㎡あたりの単価以外に、以下の項目が別途見積もりに加算されるのが一般的です。
- 遺骨の取り出し作業: 1柱(1名分)につき3万円〜5万円程度。
- 墓石の基数: 1つの区画に複数の石碑がある場合、処分量に応じて増額されることがあります。
- 基礎の撤去: 地中深くのコンクリート基礎を撤去する場合、解体掘削の別途費用が発生するケースがあります。
- 交通費:墓地から遠い場所から来る場合、交通費が加算されます。
昔馴染みの石材店などは遺骨の取り出しなどは墓じまいの際にサービスでやってくれるところもありますが、大手はしっかり請求します。
平均的な墓地区画は1㎡ではなく1.5㎡ですし、「おまけ」で価格が左右しますので、撤去費用の見積もりを依頼する際は、墓地の正確な位置や面積を確認し、複数の石材店から「㎡単価」ではなく追加費用も含めた「総額」での見積もりを取り寄せることが、費用を安く抑えるための最も第一歩になります。
②お寺への閉眼供養・離檀料の費用と相場

閉眼供養とは仏教儀式の一種で、墓じまいの際、墓石に宿っていると言われているご先祖様などの魂を抜き、墓石を「ただの石」に戻すための儀式です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれ、この儀式を行った後、石材店は解体工事ができるようになります。
併願供養は僧侶が行いますので、お布施が必要になります。お布施の金額は「お気持ちで」と言われることが多いですが、実際は3万円~10万円の間で支払われており、中央値は5万円です。
お布施は併願供養が終わった後で支払われる事が多いのですが、金額が少ない場合や多い場合は先に伝えておくか、渡しておくとその金額に応じた準備ができますので僧侶側としては助かるのも事実です。
なお、少ない金額だからと申し訳ないと思う必要もなく、諸事情を汲んで質素な感じで済ませてくれます。私が見た中では僧侶が「あなたは長年お墓を守って供養してきたわけだからお布施は不要です」と無償で併願供養してくださった僧侶もおりました。小規模であってもしっかり併願供養を行うことが大事だそうです。。
離檀料とは檀家を辞める際にお寺へ支払う手切れ金のような感じで言われておりますが、本来は長年先祖を供養してくださったお寺に対する感謝の気持ちで、お布施の一種です。
感謝の気持ちという位置づけなので、お寺側が「離檀料は〇〇円です」と提示してきても法的根拠は発生しませんので、請求されたからと言って絶対に支払わなければならないということもありません。
離檀料の相場はこれまでのお付き合いの長さにもよりますが、一般的には年間管理費の3年分~10年分程度として3万円~20万円程度を支払います。
ちなみにこの離檀料の金額について、石材店が墓じまい請負ついでにお客様に代わって僧侶と有償で交渉するのは非弁行為として違法になります。こういった交渉は弁護士に依頼するのが正式です。
併願供養や離檀料の支払いは「感謝のしるし」です。ご先祖様が気持ちよく後にできるよう揉めないようにしましょう。万が一「離檀するなら〇〇万円包んでこい」と言われたら弁護士に相談しましょう。拍子抜けするほどあっさり終わると思います。
③遺骨の受け入れ先費と相場
墓じまいをした後、遺骨をどうするか?といった問題が生じます。合祀、樹木葬、海洋散骨の3プランがあり、どれを選ぶかで墓じまいの総額が大きく左右します。昔は菩提寺に合祀一択でしたが、最近では合祀以外にも樹木葬や海洋散骨といった選択肢もあり、10年前と比較した利用割合の推移はこんな感じです。
| 利用割合 | 合祀 | 樹木葬 | 海洋散骨 |
| 2026年 | 60% | 20% | 20% |
| 2016年 | 80% | 15% | 5% |
合祀(合葬墓)
お寺に建立されている合葬墓や納骨堂に遺骨を納めて永代供養してもらう方法です。長年お世話になった菩提寺にそのままお願いすることが一般的ですが、別のお寺や霊園に合祀することもできます。(同じお寺でも合葬墓に移すときは改葬手続きが必要です)
メリット:同じお寺で合祀すると、お世話になった僧侶に義理を果たせ、宗教観を保ったまま供養できます。
デメリット:菩提寺は高額になりがち。自治体が運営している公営霊園の合祀墓は安いので人気が高く、抽選待ちになることが多い。
樹木葬
この場合の樹木葬とは永代供養を目的とした樹木葬を指します。土に還すことを目的としているため、遺骨は骨壺から取り出し、粉骨してから埋葬します。遺骨が完全に土に還るまでは何百年もかかりますが、託した遺族は永代供養として遺骨を手放すことができます。
メリット:時間はかかるが自然に還すことができる。墓石があった時のようにお参りに行くこともできる。一度埋めても掘り出すことができるところもある。
デメリット:場合によっては合祀墓より高くなる。自分が生きてる間には土には還らない。
海洋散骨
お墓から取り出した遺骨を乾燥させ、粉骨して海に撒きます。100%確実に自然に還すことができるのが最大の魅力。2021年には厚生労働省も散骨を職業としてガイドラインを公開、墓じまい後の永代供養代わりに採択する人が爆発的に増えています。
メリット:100%自然に還る。改葬許可証が不要なので古い遺骨も依頼できる。船に乗らなければ最も安く済む。
デメリット:命日などに花を手向ける場所がない。一度撒いたら二度と取り戻せない。

| point | 合祀 | 樹木葬 | 海洋散骨 |
| 費用 | 10~70万 | 5~60万 | 1.65~30万 |
| 自然回帰 | 0% | 30% | 100% |
1万円でも安く墓じまいしたい時はココを読もう!
上記のことから墓じまいは「墓石の解体・撤去費」「併願供養」「遺骨の受け入れ先」といった3つの費用の合算だという事が解ったと思います。安く抑えたい時基本的な考え方としては
① 墓石の解体・撤去は中堅石材店
➁ 閉眼供養は「お気持ちで」に甘える
③ 遺骨の行先は「委託散骨」一択
この3つを念頭に置いて計画を立てます。では詳しく解説します。

墓石の解体・撤去費用を安く抑える方法
指定石材店がない場合は(※1)、大手、中堅、格安店の3種類の石材店から見積もりを採ります。
「相見積もりを採る」というのは当たり前に行ってください。最低3か所から見積もりを採って最も安値を提示したところを基準にします。ただし最近は安いだけで頼むのは危険な時代でもありますので、安さ+納得度(安心)で決めましょう。
大手は担当者がついて手際よく手続きなども代行してくれて便利ですが費用相場は40万円程度です。
中堅は平均相場は30万円と大手より10万円程度安いのが魅力です。大手並みにテキパキ動いてくれるところなら当たりです。
格安の相場は25万円前後です。中堅よりほんの少し安い程度で、当たり外れが大きいので採択には細心の注意が必要です。

本気でアドバイス:予算があるなら大手石材店はおすすめです。営業マンが一元管理してくれますし、様々な重機を保有、解体した墓石の処分もマニュフェスト発行で安心です。仲介サイト経由は作業丸投げですから正直…ですね。中堅で評判の良い石材店は各店舗から情報を集めて以下にリスト化しておきました。
閉眼供養費を安く抑える方法
閉眼供養の費用はお布施なのでいくら包むか迷うところですが、まずは相場の5万円を基準にします。そのうえで、以下のような項目があればプラスマイナスすると良いでしょう。
- 長い間、お墓参りをしてなかった(+10万)
- 2~3年法要していなかった(+5万)
- 5人以上の大人数で伺う(+1万)
- 炎天下や極寒、悪天候下での併願供養(+3万)
- 日程調整に無理を言った併願供養(+1万)
- 本当にお金が無くて困ってる(-2万)
法要の後で久しぶりに親族が集まるのでお食事することもあるかと思いますが、予算に余裕があるときはお寺で、節約したい時はファミレスで、もっと節約したい時は「なし」とするか自宅で行いましょう。
遺骨の永代供養費を安く抑える方法
結論から言うと最も安いのは海洋散骨です。自治体の合祀墓や樹木葬にも安い所はありますが海洋散骨の方が安く済むケースが圧倒的に多いです。単価基準は1故人いくらか?の計算になります。
ただし、予算重視の場合は遺族が船に乗って散骨する個別散骨(チャーター)や合同散骨は高いので避けて、委託散骨(代行)一択にします。
委託散骨の価格差は1故人あたり2~3万円ほどあり、葬儀会社や大きな船を使用するところは4~5万円前後、中堅は3万円前後、格安は1万円台からあります。
ちなみに弊社は仙台湾散骨や東京湾散骨を18,000円(来店持込だと16,500円)で受託していますが、長年の経験から、このあたりの価格が下限ギリギリです。海洋散骨は遺骨が湿気を帯びないように保管用にポリエチレンを使うので、昨今の資材高騰でもしかすると値上げに踏み切るかもしれません。
▼つまり墓じまいの1故人あたりの最安値プランはこんな感じです。
| 墓石の解体撤去費 | 併願供養費 | 委託散骨 | 合計(税込) |
| 25万円+ | 3万円+ | 3万円= | 31万円 |
| 80% | 10% | 10% | 割合 |

とにかく墓じまいを安く抑えたい時は、遺骨の受入先を「委託散骨」に変更すると永代供養費の1/10、樹木葬の1/5以下と大幅に削減することができます。しかも海洋散骨すると遺骨は100%自然還元されますから超安心です。


墓じまい補助金が使える自治体
全国の自治体の中には無縁墓化防止の為に墓じまいに補助金を用意しているところもあります。まだまだ少ないですが該当地域にお墓がある方は是非活用しましょう。
- 事前申請が必要: 多くの自治体で、石材店と契約・着工する前の申請が義務付けられています(事後申請は対象外になるケースが多い)。
- 一般の寺院墓地は対象外: 原則として「市営霊園」などの公営墓地が対象であり、民間の霊園や檀家となっているお寺のお墓の引越しには適用されません。
| 市区町村名 | 補助金額(上限・内容) | 主な支給・適用条件 |
| 千葉県 市川市 | 最大 440,000円 | 市川市霊園の一般墓地を更地にして返還する方(区画の広さにより21万〜44万円) |
| 宮城県 美里町 | 解体・撤去費用を町が負担 | 町屋敷・牛飼共葬墓地の使用者で、区画を原状回復(更地)して返還する方 |
| 群馬県 太田市 | 最大 200,000円 | 八王子山公園墓地の使用者で、区画を原状回復(更地)して返還する方 |
| 千葉県 浦安市 | 最大 150,000円 | 浦安市墓地公園の通常・小型墓所を原状回復して返還する方(合葬墓への無償改葬支援もあり) |
| 東京都(都立霊園) | 撤去費用免除+新たな使用料無料 | 多磨・小平・八柱などの都立霊園使用者で、一般墓地を返還して同霊園の「合葬埋蔵施設」へ移動する方 |
| 千葉県 市原市 | 改葬先の合葬墓 使用料無料 | 市営墓園(能満・海保)の使用者で、お墓を返還して市原市海保墓園合葬墓へ遺骨を移す方 |
| 大阪府 岸和田市 | 墓地使用料の一部返還 | 岸和田市墓苑の使用者で、未使用期間や条件に応じて支払済みの永代使用料の一部が戻る制度 |
| 神奈川県 小田原市 | 使用料・管理手数料の一部還付 | 小田原市久野霊園を原状回復(更地)して返還する方のうち、使用開始から3年以内に返還した方(使用料の一部を還付)、または年度の途中で返還した方(管理手数料を月割で還付) |
| 静岡県 磐田市 | 原状回復費用の助成 | 市営墓地の使用者で、後継者不在などの理由により区画を更地にして返還する方 |
| 大阪府 泉大津市 | 原状回復費用の助成 | 泉大津市営墓地・組合墓地の使用者で、区画を原状回復して市へ返還する方 |
| 大阪府 泉佐野市 | 原状回復費用の助成 | 泉佐野市公園墓地の使用者で、お墓の解体・撤去工事を行い区画を返還する方 |
| 岡山県 玉野市 | 原状回復費用の助成 | 玉野市霊園の使用者で、お墓の管理維持が困難となり区画を更地に戻して返還する方 |
後悔しないために!墓じまい費用のトラブル事例と回避策
墓石解体・撤去時のトラブル
墓石の解体や撤去作業は石材店のお仕事です。よく聞くトラブルは「後から追加費用が発生した」という話。昔からの名残で、お寺や石材店は口頭契約、ザックリ見積もりが多いので要注意。見積もりをしっかり取っていても起こるこの手のトラブルの原因は、そもそもの見積もり段階からおかしいことも原因です。
回避策は、墓石の状況を確認するときは石材店任せにしないで、必ず現地に出向いて石材店と一緒に状態確認をすること。基礎工事などは作った石材店などでしか判らないので、できれば墓石を建てた石材店に依頼した方が正確な見積もりを取れます。写真を撮っておいたり、「追加費用はありませんね?」と書面で見積もりを貰っておくことも有効です。

離檀・閉眼供養時のトラブル
離檀の問題
10年前に比べて今は離檀で揉めることは明らかに少なくなっていると思います。いまだに「100万持ってこないと改葬許可証を出さないと言われた!」などお客様から聞きますが昔ほどではありません。
背景として、お寺側の理解が進んだ事や、継承者が途絶えてしまうのに無理に離檀を引き留めるとお墓を放置されて無縁墓になってしまい、結局その撤去費はお寺や霊園が負担しなくてはならないからだと思います。
それで揉めて裁判になっても結局は敗訴してしまいますので諦めているようです。詳しくは[離檀 裁判 ニュース]などと検索してみてください。
離檀料の問題
そもそも「離檀するなら〇〇万円持ってきなさい」と言われても法的支払義務はないそうです。これは数々の判例で出ています。
①番の理由は墓地使用契約や寺院の規則に「離檀時に〇〇円支払う」という具体的な合意がない限り無効であること。
➁番目の理由として日本憲法では「信教の自由」が保障されており、特定の宗教団体(お寺等)から離脱することは個人の自由であること。また、離脱の際に高額な金銭を強要することは、この自由を妨げることにもなり得ます。
③番目は日本の法律(民法や墓地埋葬法など)には、檀家をやめる際に費用を支払わなければならないという規定がないことがあげられます。
回避策は、支払い義務は無いものの、檀家離れが激しいお寺側の窮状や、今までお世話になった経緯も加味して多少は支払うことで穏便に済ますのが最善かと思います。中には頑なに拒絶するところもありますので、その場合は弁護士に相談するとあっさり解決しますのでお勧めです。
閉眼供養の問題
よく聞くのは「閉眼供養をやらないと言ったら住職と揉めた」という話です。これが圧倒的に多く、お寺としては「閉眼供養をしない」というのはあり得ない行為なのでかなり憤慨します。小規模でも良いのでしっかりやりなさい!という例が本当に多いです。その次が「お布施の金額が少ないと愚痴られた」、「閉眼供養を勝手に済まされた」です。
回避策は、節約したい気持ちは解りますが、自分ではないにせよ先祖がお墓を建てた以上、閉眼供養を行うのは祭祀承継者の最後の務めだと諦めてしっかりやりましょう。
また、どうしても予算が少ないときは事前に「〇万円でお願いします」と正直に伝えておくと良いと思います。前述した「お布施の金額が少なくて愚痴られた」ケースで多いのは、住職がこれくらいは貰えるだろうと勝手に推測してテントを建てたりお茶菓子を用意したりしていたらお布施が想定外に少なくて愚痴られたというパターンです。

遺骨の受入時のトラブル
合祀墓(合葬墓)、樹木葬
公営霊園の合祀はトラブルが起きたということはほとんど聞きません。「抽選になかなか当たらない」と言った程度です。抽選4年待ったけど当選せずに結局海洋散骨にしたという方はいました。
公営の合祀墓は大規模な納骨堂に収蔵し、何十年か経ったら地下の収蔵庫にガラガラするといった合葬スタイルがほとんどですが、民間の合祀型樹木葬は区画を区切って石のプレート付きだったりします。そのため利用者からは「お墓を片づけたのに墓じまいの意味がない」と嘆く方もたまにいらっしゃいます。
回避策は、樹木葬へ改葬するときは「石のプレートなどがないもの」を選べば良いと思います。民間霊園は石材店と組んで販売してますのでなかな見つけられませんが、最近は純粋に樹木だけを墓標としている樹木葬も出てきてますので根気よく探しましょう。
海洋散骨
最も多いトラブルは「船酔いしてしまって散骨どころではなかった」で、その次は少ないですが「晴れた日に散骨したかったの日程延期をお願いしたらキャンセル料を採られた」などです。「委託散骨を頼んでいたけどなかな実施されない」といったトラブルもたまに聞きます。
回避策は、どうしても自ら手で撒きたい!という要望がない限り、散骨は乗船型(遺族が船に乗って自ら散骨する方法)ではなく委託型(プロに任せる方法)を選びましょう。船酔いは船に乗らなければ100%なりませんし、海難事故にあうことも無くなります。海洋散骨はお天気次第ですが、天候だけはコントロールできません。
委託散骨は「次回の実施予定日」が明確なところと、過去の散骨事例がしっかり掲載されているところを選びましょう。まごころ散骨はほとんど全ての散骨画像をHPで掲載しています。

弊社が「委託散骨」しかやらないのはお客様の希望に天候を合わすことが難しいからです。散骨に最適な「晴れて凪の日」は1ヶ月のうちで数時間程度しかありませんからね、本当に難しいんです海って。

墓じまいの流れと必要な手続き(行政手続き・自治体への申請)
- 祭祀継承者が誰なのか確認しておく
墓じまいをできるのは祭祀承継者のみです。法律上、お墓、仏壇、遺骨など祭祀に関わる事は全てこの祭祀継承者の一存で決定することができます。重要な権利ですので親族できちんと話し合いをして、揉めそうな時は書面にしておくことをお勧めします。 - お墓の現況を把握する
現地へ行ってお墓の状態を確認しておきます。写真を撮ったり、お墓の中に何体あるのかなど墓誌から確認します。古いお墓は墓誌にも載っていない遺骨が出てきたりしますので、お寺の記録簿などを調べてもらうこともあります。 - 遺骨の受入先を決めておく
菩提寺に合祀するのか、それとも別の場所へ改葬するのか、海洋散骨するのかなどはこの時点で決めておきます。 - 墓地管理者(お寺や霊園)に墓じまいの意思を伝える
お寺の場合は住職に、霊園の場合は管理事務所に墓じまいする旨を伝えます。 - 石材店を決める
墓じまいには石材店の協力が不可欠です。まずは墓地管理者に「指定石材店」の有無を確認し、あればそちらで相談、無ければどこかの石材店を採択しなければなりません。 - (改葬許可を申請する)
海洋散骨の場合は不要ですが、合祀や樹木葬の場合は改葬許可証が必要ですので墓地のある市区町村役場で取得します。
取得方法は、役場に行くと「改葬許可申請書」という書類がありますので、そちらに必要事項を記入し提出し、役場の判断を経て取得となります。
[注意] 改葬許可申請書は、役場によって書式が異なり、その場で記入して提出すれば終わりなケースもあれば、現在の墓地管理者の印、受け入れ先の印が必要など何度も行き来しなければならない所もあります。役場のHPなどからダウンロードできる所もありますので[〇〇市 改葬許可申請書]と検索して事前に確認しておきましょう。 - 閉眼供養の日時を決める
僧侶と相談して閉眼供養の日時を決めます。だいたい午前中が多いです。夏などは先に遺骨を出しておいて屋内で実施することもあります。 - 遺骨を取り出す
唐櫃(墓石下の納骨する場所)ら遺骨を取り出すのは石材店のお仕事になります。埋蔵されていた遺骨はだいたい水浸しなので、軽く水抜きをして骨壺を拭いてキレイにします。 - 遺骨を改葬または(散骨する)
遺骨を改葬先へ移動したり散骨業者に引き渡すのは祭祀承継者のお仕事になります。石材店の中には仲介してくれる所もありますので、ご自身でできないときは相談してみてください。
弊社の場合は墓地まで引取に行く「お迎え出張サービス」というものがあります。 - 墓地を解体・更地に戻す
石材店がきれいに更地に戻してくれます。 - 資料をまとめておく
全ての支払いを済ませたら、関連資料や領収書などはファイルにまとめて保管しておきましょう。
墓じまいに慣れた専門家がもの凄いスピードで進めても、約1か月は要します。現地には確認・相談・供養と合計2~3回出向かなければなりませんので遠方にお墓がある場合は大変です。そんな時は石材店に少し多めに払ってあれこれ協力してもらった方が良いと思います。

ただし、離檀交渉や改葬許可申請などを石材店が行うと違法行為に抵触する恐れがあるということも把握しておいてくださいね。
【まとめ】墓じまいの裏話
墓じまいについて私が持つ全ての知識を書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
お客様がよく言っているのは「年取ってからの初めての事だらけはきついな~」です。そりゃそうですよね、お墓を片づけるなんて時代が来るとは誰も予測できませんでしたから。それは石材店の方も良く言ってます。「親父が儲かるって言うから継いだんだけどさ~すっかり墓じまい屋さんだよ」って。
とにかく墓じまいは準備に8割、実行に2割ですので事前準備が重要です。昨年は10月まで酷暑で墓じまいが11月にずれ込んだ方も多く、弊社の乾燥室は一杯でした。今年も酷暑が予想されていますので秋の墓じまいは要注意です。
経験から墓じまいの意外な狙い目は1月ではないかな?と思います。「お正月に墓じまい」と思う方もいるかもしれませんが、1月はお寺も石材店も暇なので喜ばれますし、日程の融通も利きます。なんなら割引もしてくれるかもしれません。ただ極寒ですから、駐車場やお手洗いの近い場所が必須です。
この記事を書いているのは2026年5月ですが、今年は特に墓じまいが急増しているように感じます。お墓にあった遺骨を乾燥させて、きれいにパウダー状にして海洋散骨される方も増えています。
先月も東京湾に散骨させていただきました。こんな事を言うと住職に怒られてしまうかもしれませんが、あんなに泥だらけになっていた遺骨が真っ白になって青い海に溶けてゆく様子を見てると、何だか「ありがと~!」と言われてるような気がしてなりません。委託された遺族の方々も最後の承継者として役目を果たせてホッとしているでしょうね…。
墓じまいは大変ですけど、皆さん頑張りましょう!この記事が初めて墓じまいをされる方のお役に立てれば幸いです。長々と読んでいただきましてありがとうございました。

【筆者】舘山文成 まごころ粉骨・千葉本店(アットマガジンズ有限会社・取締役社長)- 創業25年目、散骨事業実績11年目。現在までの委託散骨実績は累計6000件以上、粉骨実績1万件以上、粉骨と委託散骨の専門家。NHK「クローズアップ現代」にも出演させていただきました。

